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内海 隆行*; 松門 宏治*; 大道 博行; Esirkepov, T. Z.; Bulanov, S. V.*
Applied Physics A, 79(4-6), p.1185 - 1187, 2004/09
被引用回数:10 パーセンタイル:40.08(Materials Science, Multidisciplinary)近年、高強度・短パルスレーザーを薄膜に照射することにより高速に加速されたイオン,電子,陽子が観測されており、加速器へのイオン源や陽子線医療としての応用が期待されている。これらの粒子は、プリパルスにより生成されたプラズマに照射するメインパルスがプラズマ内に協力な電磁場を形成する過程から発生すると考えられている。したがって、プリパルス生成プラズマの状態制御は、この粒子生成を最適化するための重要なファクターである。このため、本報告では、プリパルスによるプラズマ生成過程を、光量子-物質相互作用シミュレーションの一環として開発したCIP法(3次補間擬似粒子法)に基づく解析コードにより、シミュレーションした結果を示す。本シミュレーションはイオン発生実験の条件で行ったものであるが、メインパルス到着直前に薄膜はプリパルスにより完全に溶融・蒸発し、サドル構造のアンダーデンスプラズマが生成されている状態となっており、実験結果と整合性のあるシミュレーション結果となっている。
内海 隆行*; 佐々木 明; 功刀 資彰*; 藤井 貞夫*; 赤松 幹夫*
Proceedings of 4th International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications (SNA 2000) (CD-ROM), 10 Pages, 2000/09
インコヒレントX線源開発や電子衝突励起X線レーザの開発のためには、固体ターゲットへのレーザ照射により生成されるレーザプラズマの状態を精度よく予測することが重要な要件である。このために光量子-物質相互作用シミュレーションの一環としてCIP法(3次補間疑似粒子法)に基づく解析コードを開発し、このコードにSESAMEやQEOSの物質の状態方程式、TKNモデルやDrudeモデルによる熱伝導係数、吸収係数を組み込んできた。特に超高強度レーザー照射により照射近傍の温度が1keV以上となる状態においては輻射による熱輸送が大きな影響をあたえる。このためここでは、このコードに輻射モデルと遮蔽水素モデルに基づく平均輻射係数を組み込み、レーザー生成プラズマの形成過程をシミュレーションした結果を報告する。また、輻射モデルの数値解法としてSuccessive Overrelaxation (SOR)法を適用したことによる計算量増大について報告する。
内海 隆行*; 佐々木 明
第14回数値流体力学シンポジウム講演要旨集, 4 Pages, 2000/00
超短パルス・高ピーク出力レーザー光をポンプ光と超短X線パルスプローブ光生成に分岐し、ポンプパルスにより試料物質中に誘起した物性変化をX線回折像として取得することができる。すなわち、試料中にポンプ光で衝撃波を発生させることによりX線回折像から結晶中の過渡現象に伴う原子配列の動的変化を観測することができる。X線回折像解析からは、結晶格子間隔の動的変化が計測されるが、これを連続体運動方程式でモデル化した場合の密度変化に対応させられる。これらは超高速現象であるために、実験の準備,X線回折像解析には数値シミュレーションが重要な要件である。本報告では、3次補間擬似粒子法(CIP: Cubic-Interpolated Propagation)とC-CUP(CIP-Combined Unified Proedure)法に基づき開発したコードでレーザー誘起衝撃波を解析した。これにより、レーザー照射実験に重要なデータであるレーザー吸収係数,熱伝導係数,状態方程式(EOS)の妥当性をX線回折と数値シミュレーションにより検証することが重要であることがわかった。
内海 隆行*; 佐々木 明
日本流体力学会年会2000報文集, 2 Pages, 2000/00
X線レーザー発振シミュレーションの一環として、X線レーザー媒体プラズマ生成過程の解析のために、連続体運動方程式に基づいたシミュレーション・コードと状態方程式、輸送係数などの物質特性値データベースを整備した。本報告では、Ag(Z=47)のスラブターゲット、薄膜ターゲット(厚さ1.5,3.0m)へのパルスレーザー照射シミュレーションを行い、薄膜ターゲットの場合には熱伝導、圧力仕事によるエネルギー損失が少なく、一様高温・高密度プラズマが生成されることがわかった。また薄膜ターゲットの場合、X線増幅領域近傍での密度変化が小さくなりX線レーザーの進行方向が屈折により影響を受けにくいと期待される。
内海 隆行*; 佐々木 明
応用数理学会平成12年度年会報文集, 2 Pages, 2000/00
X線レーザー発振スキームには、固体ターゲットへの高強度・短パルスレーザー照射により高温・高密度プラズマ生成過程を含む電子衝突励起型スキームがあり、シミュレーション等により最適な発振条件を予測することが要求されている。固体ターゲット照射によるX線レーザー媒体プラズマ生成過程は、マクロスコピックな連続体の運動として記述することができるが、固体ターゲットへの超短時間での超高エネルギー注入に伴って生じる固・液・気相の多相流解析には、計算手法と、物質の状態方程式などの物質特性値が重要となる。計算手法として、CIP法(CIP: Cubic-Interpolated Propagation)とC-CUP(CIP-combined Unified Procedure)法が固・液・気各相界面での大きな密度変化を精度良く捉えられ、有効な計算手法と考えられる。ここでは、急速に状態が変化するX線レーザー媒体と外部気体の異なる2種類の物質の存在する系において「一般化された比熱比」をもちいた多相・多成分の連続体解析の定式化とその妥当性について報告する。
内海 隆行*; 佐々木 明; 功刀 資彰*; 藤井 貞夫*; 赤松 幹夫*
Proceedings of 13th International Conference on High-Power Particle Beams (BEAMS 2000) (CD-ROM), 4 Pages, 2000/00
原研において先端的光量子光源の開発とその応用研究の一環として超短パルス・高ピーク出力で繰り返し動作可能なレーザーが開発され、固体ターゲットへの照射を数値的に解析することが要求されている。このため、計算手法としては、3次補間擬似粒子法(CIP: Cubic-Interpolated Propagation)とC-CUP(CIP-Combined Unified Procedure)法が固・液・気各相界面での大きな密度変化を精度良く捉えられ、圧縮性・非圧縮性流体の統一解法に極めて有効な計算手法と考え、CIP法を異なる種類の物質に対して適用できるように拡張し、多相・多成分の連続体が存在する系に適用可能なコードを開発した。さらに、状態方程式(EOS)や熱輸送モデルと物質特性値を本コードに組み込み、固体スラブターゲット照射に伴う熱流動現象を解析してきた。一方、固体ターゲットとして薄膜を用いることにより、ターゲット内部への熱伝導による損失なしにプラズマを瞬間的に生成できると考えられる。このコードを超短パルス・高ピーク出力レーザの薄膜への照射によるレーザプラズマの生成とその伝搬のシミュレーションに適用した結果を示す。
内海 隆行*; 佐々木 明; 功刀 資彰*; 藤井 貞夫*; 赤松 幹夫*
Computational Fluid Dynamics Journal, 8(1), p.128 - 134, 1999/04
プリパルス方式による効率的な電子衝突励起X線レーザーの開発のためには、固体ターゲットへのレーザー照射により生成されるレーザープラズマの状態を精度よく予測することが重要な要件である。レーザー光が固体ターゲットに照射されると、溶融・蒸発の後に高エネルギーの集中した状態として高温・高密度プラズマが生成される。このレーザー生成プラズマの状態を解析する方法の1つとして、これらの複雑な現象を連続体、あるいは混相流としてとらえ、流体運動として定式化することができる。この現象を精度よくシミュレーションするためにCIP法(3次補間擬似粒子法)に基づく解析コードを開発した。本論文では、固体ターゲットへの高強度・短パルスレーザー照射により、平坦な先端をもつ比較的均一なプラズマ状態が形成され、膨張伝播して行く状態をシミュレートしたことを報告する。
内海 隆行*; 功刀 資彰*; 藤井 貞夫*; 赤松 幹夫*
計算工学講演会論文集, 3(1), p.235 - 238, 1998/05
最近、原研においてTi:Sapphireレーザーによる100TW10Hzの繰り返し動作超高出力レーザーが開発され、短波長・高効率X線レーザーの発振の実現が期待される。X線レーザー発振方式にはいくつかの候補があるが、そのうちの一つである電子衝突励起型X線レーザーでは、常温の固体ターゲットをレーザー照射して高温・高密度プラズマを生成する過程を含んでいる。このレーザー照射生成プラズマの熱力学特性は、X線レーザーの利得と重要な関係があり、シミュレーション等により正確に推定することが要求される。これまで、超高出力超短レーザー光による物質の溶融・蒸発シミュレーションを行うために多相・多成分の流体が存在する系に適用可能なコードを開発してきた。ここでは、レーザー光をアルミニウム金属に照射する問題に適用して、状態方程式のシミュレーション結果への影響について報告する。
内海 隆行*; 功刀 資彰*; 藤井 貞夫*; 佐々木 明; 赤松 幹夫*
CIPUS Annual Report, 4 Pages, 1998/00
X線レーザー照射によるプラズマ生成過程を連続体運動方程式で記述されるようなマクロスコピックな流体シミュレーションの立場から把握するためには、光と物質その相互作用のモデル化だけでなく、固体ターゲット照射にともなって生じる固・液・気各相の界面での大きな密度変化を精度良く捉えられ、かつ圧縮性高速流れから非圧縮性流れまでの広い範囲の流動現象を統一的に取り扱えることが必要である。矢部によって提案された3次補間擬似粒子法(CIP:Cubic-Interpolated Propagation)は、固・液・気各相を含む圧縮性・非圧縮性流体の統一解法に極めて有効な計算手法と考えられる。筆者らは、CIP法を異なる2種類の物質に対して適用できるように拡張し、多相・多成分の流体が存在する系に適用可能なコードを開発してきた。本報では、そのコードの概要と超短パルスレーザー光を金属に照射する問題に適用した結果について報告する。